挨 拶

飯田下伊那地域糖尿病療養指導士育成会 会長あいさつ 

 

 

飯田市立病院 内分泌内科 小林 睦博

 

 飯田下伊那地域糖尿病療養指導士認定制度について、どのような制度かご説明します。

 

 皆さんもテレビや新聞でご存知の通り、糖尿病患者さんの数は年々増加の一途です。それに加えて、自分が糖尿病と知っていて中断している患者さんも多いですが、自分が糖尿病と知らないで過ごしてしまっている患者さんも多いのが現状です。一方、糖尿病という病気は、病状を改善するために自己管理がとても重要で、日々の食事や運動、日常生活の注意、病気の時の対処法、インスリン注射をする場合にはそのやり方や管理法、血糖の測定、低血糖の対処法など、患者さん自身が知っていたほうが良いことはとてもたくさんあるのです。

 

 2000年に日本糖尿病療養指導士制度というものが作られました。医療スタッフに十分な知識を得てもらい、患者さんへの療養指導をしてもらう訳です。現在、飯田下伊那地域でも20数名以上の療養指導士が誕生し活躍してくれています。しかし、この制度では受験基準の制限があり、保健師や調剤薬局の薬剤師などは受験できず、また、認定の更新のために遠方に講義を聴きに行かなくてはならない、費用もかかることなどから更新が難しく、なかなかこの地域の日本糖尿病療養指導士の数は増えません。このために、日本のあちらこちらに地域で育成する糖尿病療養指導士の制度ができてきました。長野県では、2008年に東北信地域糖尿病療養指導士制度ができました。飯田下伊那地域でもそれに続いて制度を作ることになりました。

 

 地域糖尿病療養指導士の皆さんには、糖尿病の知識だけでなく、有効な療養指導の仕方についても学んでいただきます。そして、医師や日本糖尿病療養指導士と一緒に、それぞれの職種の地域糖尿病療養指導士が、糖尿病の予防、発見後の教育指導、合併症発症後の教育指導などいろいろな段階での指導にあたれば、多くの患者さんたちが間違った方向を選択せずに、適切な時期に、適切な生活習慣の指導や医療を受けられるようになると考えられます。健康食品の宣伝文句に惑わされ、糖尿病の治療開始が遅れてしまったり、薬を中断してしまって悪化したりということは今でもあります。多くの患者さんが救われると信じています。

 

 飯田下伊那地域糖尿病療養指導士の研修カリキュラムに関しては、日本糖尿病療養指導士とまったく同じではなく、受験される職種なども考慮し、療養指導の重要性を理解してもらえる分かりやすい内容にしていきたいと考えています。研修会受講後に、レポートの提出、そして試験を受け合格すると、認定となります。認定後も定期的にスキルアップのための研修会を企画します。

 

 これから仲間を増やして一緒に活動をしていきましょう。